ビザ

アメリカのOビザについて

アメリカでNBAダンサー・NFLチアリーダーになるにはビザが必要です。
そのほかにもダンサーを含め、なんらかのアーティストやアスリートとして海外で生活するにはOビザの取得をするケースが多いでしょう。
今回は、オーディションよりストレスフルだったOビザの取得について書いていきます。
これから何か夢に向かって渡米を目指す人は、参考にしてみてください。

Oビザってなに?

アメリカに住んでいる人でも、Oビザを知らない人がいます。
それくらい特定の分野でしか取得を必要としないビザです。
 
Oビザはアーティストビザとも呼ばれますが、定義としては
 
科学、芸術、教育、ビジネス、スポーツ、テレビ、映画などの分野で「卓越した能力を有する」「卓越した業績を残した」者に発給されるビザ。
 
だそうです。
 
初回の申請で最大3年の期間取得できますが、これは実際に活動する内容と関わってきます。
 
芸能人やプロスポーツ選手でアメリカで活躍している人は、このビザを取得しています。
 
ただ、アメリカに在住しての活動ではなく、コンサートやイベントでアメリカに行く場合は、P1ビザというものを取得するそうです。
 
もちろん申請しても、100%取得できるものではありません。
取得をできる限り確実にするためには、実績作りやしっかりとした準備が必要です。

Oビザを取得するには何が必要なのか

卓越した能力というとふわっとしていますが、実際何が必要になってくるのでしょうか。
 
ざっくり言うとO1ビザを取得するには、特定の分野での実績、そしてそれを証明するものが必要です。
 
私が用意したものは
  • 自分の経歴のポートフォリオ
  • Oビザを必要とする経緯
  • 過去に雑誌や新聞に掲載された記事
  • メディア出演した時の映像のスクリーンキャプチャ
  • 業界内外からの推薦状
  • ビザスポンサーがいることの証明

などです。

私はNBAダンサーになることを決めた時、まずそれを目指すためには何が必要なのかを調べ、O1ビザという存在を知りました。

そして、そのビザを取得するためには、その分野での実績が必要だと知り、日本でチアリーダーとしてのキャリアをスタートさせています。
 
当時はNBAダンサーになるには、同じ業界でなければいけないと思ってチアリーダーになりましたが、アメリカではチアリーダーはダンサーだと認識されるので、ダンサーとして実績があればNBAダンサーやNFLチアリーダーになるためのOビザの取得も可能だと思います。
 

Oビザ取得には弁護士が必要?費用は?

アメリカには移民弁護士というものがいます。
 
Oビザは自分で申請することも可能だそうですが、他のビザと違って複雑な手続きが多いこと、専門知識がないこと、急いで取得する必要があることもあり、私は弁護士にお願いしました。
 
移民弁護士と言っても、全ての移民弁護士がOビザに強いわけではないので、弁護士を選ぶときは実績を見て選ぶようにしましょう。
日本人でOビザに強い弁護士もいるようですが、私は在米アメリカ人の移民弁護士にお願いしました。実際に会う必要はなく、オンラインで手続きを進めることができます。
 
Oビザ取得にかかる弁護士費用の相場は5000ドル〜と言われていますが、これは弁護士によってピンキリです。
 
申請費用を含めて私が支払った基本弁護士費用は5300ドルでした。またあとで紹介しますが、それに加え、諸々で合計8000ドルくらい支払いました。当時のレートで日本円にすると、支払ったのは95万円くらいです。
 
安い費用の弁護士もいますが、ビザは夢を叶える上で一番必要なものと言ってもいいです。
 
本音を言えば、できるだけ取得費用を抑えたい気持ちはすごくわかるし、私も本当にそうでしたが、それよりも確実に取得の可能性を上げられる弁護士を選ぶ方がいいかなと私は思っています。
 
ちなみに全て自分で手続きする場合は、Oビザの申請料金は190ドルだそうです。
 

Oビザ取得にはどれくらいの時間がかかるの?

通常、Oビザの申請はUSCISというアメリカ移民局に全ての書類を提出してから2ヵ月〜3ヶ月かかると言われています。
ただこれは、本当に運やタイミングに左右されるところがあって、2週間くらいで出た人もいれば、3ヶ月丸々かかる場合もあります。
 
状況によっては、ビザ発給は時間との戦いになります。
そういう場合は、1225ドル支払えば、USCIS premium processingという方法で手続きを早めることができます。
 
私はとにかく早くビザが欲しかったので、このUSCIS premium processingを利用しています。
これを利用したことで、申請して日本のアメリカ大使館で面接を受ける許可が降りるまで、たった5日しかかかりませんでした。
 
このお金を支払えばどれくらい早くなるかという保証はないのですが、確実に申請手続きは早まりますし、時間に余裕がないのであれば利用するのがおすすめです。

Oビザの有効期間は?

Oビザは最初の申請では、最長で3年の期間発給されます。
ただ、これはビザスポンサーとの契約によるので注意が必要です。
 
NBAダンサーやNFLチアリーダーの契約は1年単位で、次の年も合格できるという保証はないため、ビザは1年しか申請することができません。
その後は、またお金を支払って更新を行うことになります。
 
後述しますが、私の場合はビザスポンサーが所属チームではないため、最初の申請で3年のビザを発給してもらいました。

Oビザ取得に必要なものをもっと詳しく知ろう

私が用意したものを簡単に紹介します。
日本語で作成したものは、全て英語に翻訳しなくてはいけません。
翻訳を依頼するときに気をつけたいのは、全てのネイティブスピーカーが正しい翻訳ができるとは限らないということです。
翻訳業者に依頼する手もありますし、アカデミックな英語を書ける人に依頼することをお勧めします。
 

自分の経歴のポートフォリオ

 
 
今までの自分の経歴を写真などを交えてまとめたものです。
所属したチームや在籍期間、その間に活動した内容を事細かに書いていきます。
それから、チームに所属しているときにのホームページの自分のプロフィールページ、チームが出した雑誌などもスキャンしてポートフォリオに加えました。
 
賞などを受賞した経歴があればなお良しですが、その場合は、その受賞を証明できるものも必要です。
チームでの受賞の場合は、その受賞に際して自分がどんな貢献をしたかなども書いておきましょう。
 
チームに所属していたから実績が十分あると判断されるわけではなく、個人でこれだけのことをしてきたという内容を織り込むのがポイントです。
チームとしての実績ではなく、自分がそこで何をしたかが重要になります。
弁護士に依頼すれば、書類の内容はチェックしてもらえるので、書けることはなんでもとりあえず書いておきましょう。
 

Oビザを必要とする経緯

 
 
どうしてあなたはOビザが必要なのでしょうか。
アメリカという国にビザを発給してもらうには、あなたがアメリカにとって有益なものをもたらす人だということを証明しなければいけません。
 
そのためにまず、どうして自分にOビザが必要なのかを書きます。
そしてOビザを取得して、私がアメリカに行くことがアメリカにとってどんな利益をもたらすのかも書きました。
 
極論を言えば、「私はNBAダンサーになりたいからOビザが欲しい」だけではダメなんです。
自分がその経験をすることで、どんなことをアメリカにもたらせるのか、しっかり内容を考えましょう。
 

過去に雑誌や新聞に掲載された記事

 
 
特定の分野で実績を作ると、雑誌や新聞に紹介されることってありますよね。
そう言った記事はOビザを取得する上で、すごく意味があります。
 
自分で経歴を書いたポートフォリオはもちろん必要ですが、雑誌や新聞などの第三者が発行したものは、自分で書いたものの何倍もの説得力があるんです。
 
自分やチームのことが載った記事があれば、どんなに小さくてもいいから残しておきましょう。
 
それぞれの記事には簡単でいいので概要を説明した文章をつけます。
記事をスキャンして貼り付け、同じ書類上にその説明を加えましょう。
 

メディア出演した時の映像のスクリーンキャプチャ

 
雑誌や新聞の記事と同様に、テレビなどに出演した時の映像はとても説得力があるものです。
ニュースやCMなんでもいいので、自分が出演したものはスクリーンキャプチャして、書類にしましょう。
 
この時もその出演が何に対するものなのか、概要を書きます。
またチアリーダーにはありがちですが、たくさんの人が画面に映っている場合は、どれが自分か明確にわかるようにするのもポイントです。
 

業界内外からの推薦状

 
「この人はOビザを取得するのにふさわしい」という内容の推薦状を、第三者に作成してもらいます。
推薦状を書いてもらう人は誰でもいいというわけではありません。
 
その分野で実績がある人、知名度があったり、英語で検索しても情報が確認できるレベルの団体や大企業である必要があります。
 
私が推薦状を依頼したのは
 
  • 現役NFLチアリーダー
  • 留学時のダンスチームのコーチ・ダンス学科の教授
  • アメリカのNBAなどの振付師
  • 元NBAダンサー
  • 日本で所属していたチームのディレクター
  • 所属チームのスポンサーだった某外資系航空会社
  • 日本のダンス関係の社団法人
  • 某商工会議所
  • 某女性支援団体
 
などです。
 
個人の場合もありますし、団体・企業の名前で作成してもらったものもあります。
 
推薦状は内容が大切です。
 
薦してもらう方や団体・企業に内容を丸投げしたら、迷惑をかけてしまいますから、日本人の方にお願いしたものは下書きを作って、「この内容でサインしてもらいたい」という旨を伝え、確認・修正してもらい、それを英訳したものにサインしてもらいました。
 
アメリカ人に依頼したものは、サンプルの英文とこういうことを書いて欲しいと伝えて、作成してもらい、こちらで内容を確認してからサインをもらいました。
 
推薦状は5〜8部程度必要と言われていますが、弁護士によると数よりも説得力が高いかどうかが大切だと言われました。
弁護士によっても見解は違うので、依頼した時に相談するのがベストです。
 

ビザスポンサーがいることの証明 

 
ビザの取得には、在米企業にビザ取得の保証人になってもらう必要があります。
 
私がそれまで聞いた話では、NBAダンサーやNFLチアリーダーで活躍してきた方は、チームがスポンサーだったそうなのですが、私が合格したAtlanta Hawksは合格後にビザスポンサーになれないと言われました。
⇨これが私がビザが一番大変だと今でも思っている理由です。
 
チームがなってくれない場合は、自分でビザスポンサーを探すことになります。
 
そして、そのビザスポンサーに「ビザスポンサーになる」という内容の書類を渡し、サインしてもらわなければいけません。この部分の交渉や書類作成は、色々複雑な内容になってしまったので、弁護士に全て丸投げしました。

ビザスポンサーがいないときは?

オーディションで結果が出ても、他の書類を完璧に準備しても、ビザスポンサーがいないことにはビザの申請すらできません。
 
私もビザスポンサーになってくれないNBAのチームがいるのは知っていたので、それは避けなければと思いオーディションを受ける前にチームに確認し、オーディション期間中にもコーチや人事と再三確認をとっていたんです。
 
でも、受け入れ側になるチームは私以上にビザに関する認識がないこともあります。
おそらく、私の時に”チームがスポンサーになれない”といういどんでん返しが起きたのはそのせいです。
 
法務判断でNGとなっていても、コーチや人事はそれを知らないということは珍しくありません。
過去に日本人を含めた外国人を受け入れた経験があるチームなら、それがわかっているのですが、初めての外国人の受け入れとなるとそれは仕方ないことですよね。
 
と、今は言えますが、当時は絶望の淵に立っていました(笑)
 
合格したのにビザスポンサーがいないのでは、合格した意味は一切ありません。
全部水の泡です。
 
他のチームを受験しに行こうとしていた私に、弁護士が「こういう方法もある」と提示してきたのが、
”自分でビザスポンサーを見つけて、そこを経由してチームで活動できるようにする方法”です。
 
私の状況でビザスポンサーになることができるのは
 
  • 芸能事務所
  • アスリートエージェント
  • レコード会社
  • エンターテイメント系の仕事を扱っている企業
  • アメリカのチア団体
 
と、言われました。
 
これは、在米であれば自分が活動しようとしている地域以外にある企業や団体でもOKです。
 
私は運よく、スポンサーになってくれる芸能事務所を見つけ、その事務所にビザスポンサーになってもらい、チームで仕事ができるようになりました。
 
ただ、本当に私は運よく見つけることができたのですが、提案した弁護士自身も難しいけれど…と言っていた方法ではあります。
 
ビザスポンサーになってもらう相手には書類にサインをもらうだけで、お金を払ってもらう必要等はないんですが、100以上の企業や団体にメールを送ったり電話をしても、返事をくれたのが数社、そしてスポンサーになってくれると言ったのは1社だけでした。
 
でも、可能性があるのであれば、トライしてみる価値は十分にあるでしょう。
 
この部分はかなり法律的なことが関係してきますし、弁護士を通して交渉してもらった方が信頼度が高くスポンサー側も安心するので、全て弁護士にお任せしています。
手続きには追加で2000ドル(220,000円)支払いました。
 
この方法ができるということは、日本で実績があって、アメリカでビザスポンサーを見つけることができるのであれば、オーディション挑戦前にビザの申請ができるということになります。
 
オーディション合格後のビザ取得は、練習に合流するまでに時間がかかってしまったり、最悪の場合は開幕に間に合わないこともあり得ます。
Atlanta Hawksの場合、この日までにビザが取得できなければ不合格扱いと言われていたので、全てが時間との戦いでした。
 
NBAダンサーやNFLチアリーダー以外の場合も、オーディション後すぐにリハやレッスンが始まるケースもあります。
ビザがないと、お金が発生しないリハやレッスンにすら参加できないことは多々あるので、この方法で先にビザの取得を目指すという手もあると思います。
 
しかもこの方法であれば、ほとんどの場合で3年のビザを申請できるでしょう。

USCISで申請が通ったら大使館で面接

審査に通ると、弁護士から連絡が来ます。
自分で申請している場合は、ダイレクトに連絡が来るはずです。
 
申請が無事通ったら、全ての書類をプリントアウトして日本のアメリカ大使館で面接を受けます。
ネットからビザ面接の予約ができます。
 
予約などに関しては、大使館のHPから確認しましょう。
 
面接の時なのですが、アメリカに永住したいということを伝えるのは絶対にNGです。それを言った時点で発給してもらえないことが100%決まると言ってもいいくらいのNGワードなので、絶対に言わないでください。
 
面接官によっては誘導的に言わせようとして来る人もいますが、「アメリカで挑戦したいことはあるけれど、私は日本が好きだし、経験を日本で生かしたいからアメリカに永住するつもりはない」というのが無難です。
 
大抵の場合は面接当日にビザ発給の許可が下ります。
ただ私の場合は当日に許可が下りませんでした。紙を一枚渡されたのですが、そこにはいつ許可が下りるかはわからないことと、審査の状況は指定されたURLで確認するように書かれていました。
 
もうこれで渡米できると思っていたので、この紙を渡された時はまた絶望。
 
ネットで調べると、審査を保留にされる人はランダムに選ばれ、早ければ1週間くらいで下りる場合もあるし、1年以上保留にされている人もいるというのです。
実際に指定されたURLを見ると、実際に1年以上なんの動きもない人もいました。
 
チームに合流しなければいけない期限が迫っていたので、許可が下りた瞬間に渡米できるよう、東京に滞在し続けました。
2週間ほど日払いのバイトをしながら、連絡だけを待つ日々。
 
期限が4日後に迫ったある夕方、突然電話がかかって来て「許可が下りた」と伝えられました。
すぐに飛行機のチケットを購入し、翌日パスポートを受け取りに行きました。
そして、両親に足りない荷物を持って来てもらって、許可が出た2日後に渡米しました。
今思ってもこの時の自分の行動のスピードは人生で最速だったと思います(笑)
 
ちなみに東京・大阪・沖縄にアメリカ大使館があり、沖縄が一番ビザの発給が早いと言われています。
面接の数も東京が断然多いので、沖縄が早いというのは本当かもしれませんが、確実な情報ではありません。
以前は大阪の面接が緩く、ビザを取るなら大阪がいいと言われていましたが、今は厳しくなっているようです。
どちらにしろ、トランプ政権になってから移民に関しては厳しくなっていると言われています。

Oビザがあればいろんな仕事ができるの?

ビザを取得できたからといって、どんな仕事でもできるというわけではありません。
 
Oビザを取得するときに移民局に提出する書類には、事前に申請している仕事以外の仕事はできない旨が書かれています。
 
私の申請書類には、ビザスポンサーである芸能事務所とAtlanta Hawksでのみ仕事ができることが記載されていました。
 
渡米するとソーシャルセキュリティーというものを取得しますが、そこにも許可された仕事のみ可能ということが書かれています。
 
どんな仕事につくときにも自分のソーシャルセキュリティーナンバーを提出するので、内緒でアルバイトをしようとしても、すぐにUSCISにバレてしまいます。
最悪の場合は、強制的に日本に帰されてしまうので、せっかく念願叶ってアメリカで夢を叶えたのに全てが無駄になってしまうんです。
 
ワーキングホリデーと違って、アメリカでは自由にアルバイトをすることはできませんから、注意しておきましょう。

最後に

アメリカでなんらかの夢を叶えたい場合、ビザは高いハードルになります。
最初にも書きましたが、オーディションの何倍もメンタルがやられました。
実際に弁護士に依頼する前に、書類などは準備できるので事前に準備しておくことが重要です。
英訳なども必要になるので、思っているより時間がかかりますし、オーディション中に準備する余裕はないと考えておいた方がいいです。
 
いろいろ複雑なこともありますし、申請すれば100%取れるというわけではありません。
でも自分の目標に向かって、どんな実績が必要なのか考え、前もってしっかりと準備しておくことをオススメします。